今年度のサポイン研究開発は実際どのように進んだ?
開発したセンシング技術の量産での運用(自動化)を想定し、ミル主軸に移設したAEセンサーを駆使し、加工しながら周波数検知し、AIシステムにて工具寿命判断が出来るようになりました。
機内自動計測システムの開発では、チャックを基準に高精度測定法を確立すべく、アドバイザーの先生にご指導頂きながら、タッチプローブでの高精度測定を繰り返し実施。その再現性の測定、分析をしました。結果的に三次元測定機との測定誤差2μmという精度で測定可能となりました。
工作機自動制御システム開発では、AE信号をAIが監視し、異常と判定したら機械のNC制御PCにそれを指示、加工を止め、測定の実施、工具交換し補正を入れ、再加工に行くという一連のサイクルを回せるようになりました。
ズバリ、3年間のサポイン研究開発の成果は出たのか?
「工具寿命の延伸」という観点では、従来の、工具破損のリスクを考慮し35%の安全率を見て早めに交換していた工具を、AIにて従来よりも20%長く使用できる寿命判断が出来るようになりました。
これは消耗工具費の削減によるコスト削減と、工具交換回数の削減による生産性向上という意味で、大変大きな成果となりました。
また、本研究開発で開発した技術を、茨城大学様と共同で特許出願しました。
出願番号:2022‐210490
発明の名称:異常検知装置及び異常検知方法(リアルタイム工具摩耗検知のためのAIモデル開発)
今後の展望は?
3年間の研究開発が2023年3月31日で終了となりますので、今後は上記研究開発の成果である工具寿命延伸の効果を水平展開し、自社のコスト競争力の強化に繋げて参ります。
また、自動運転システムの完成度を鍛え、無人運転時間を長くすることで生産性を上げられるよう、引き続き取り組んで参ります。
そして当社と同じように、消耗工具費の高額さに悩んでいる会社様に、当該リアルタイム工具摩耗検知のためのAIモデル開発技術のコンサルタント業務のようなビジネスができないか模索したいと考えています。
自社の課題解決のみならず、世の中のモノづくり企業の課題も解決できます様、より一層精進して参ります。