

ネジ雇(やとい)とは?
ネジ雇(やとい)とは、ネジを使用した雇=治具のことで、治具にネジを切り、製品の内径もしくは外径にもネジを切り、それらを嵌め合わせるように締めてクランプする方式で使用する段取り技術です。
どんな製品に対し適用する技術か?
製品側にネジを切る為には、内径もしくは外径が丸形状でないといけません。
しかし、その条件さえ満たせば、直径が大きくても小さくても、ネジ部の長さが長くても短くても、製品の材質がどんな金属でも、適用させることが出来ます。
ネジ雇を採用するメリットは?
通常のNC旋盤加工では、製品を機械にクランプ(拘束保持)する時に、生爪等でチャックし、銜えます。
その時、三つ爪ならオニギリ形に、四方締めなら楕円形状に製品が変形するリスクがあります。
例え、機械でクランプしている時には、図面寸法通りの精度に出来上がっていても、クランプから外すと、拘束応力の解放から変形が生じて図面寸法公差外となってしまうこともあります。
これに対し、ネジ雇を採用しますと、ネジ同士が嵌め合うため、全周で均一の力で拘束されるため、加工後に外しても変形がほとんど生じません。
また、短いネジ部の長さで拘束可能なので、嵌め合い部以外を同時加工できる、例えば、嵌め合い部以外の内外径を同時加工することで段取りの削減や精度アップに役立ちます。
ネジ雇を適用する場合、製品にネジ部は残ってしまうのか?
また、ネジが締まり過ぎて外れなくなるリスクはないか?
最終工程にてネジ部を除去可能です。ネジ部除去工程で変形が生じないように仕上げるのも弊社の技術です。
また、当該ネジ部除去加工をしなくても良い場所にネジを切らせて頂く場合は
ネジを残させて頂くこともあります。その場合はネジ部除去加工工程が1工程減る為コストダウンになります。
そして、ネジが外れなくなるリスクですが、特殊な治具構造を適用するため、締まり過ぎて外れないということはありません。
ネジ雇を適用してほしい場合は要求しないと適用してもらえない?
薄肉、高精度な部品加工の場合は、弊社の方で自動的にネジ雇技術を適用しますのでお客様から特別のご要求やご指定は不要です。
この機会にぜひ川崎製作所のネジ雇技術をお試しになって下さい!